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NTT DATA Technology Foresightは、今後3~10年の間に大きなインパクトをもたらす先進技術や社会動向の継続的な調査から導出した、。、革新的技術の潮流を示す「技術トレンド」で、将来の進むべき道を解き明かします。
NTT DATA Technology Foresight 2020 パンフレット(PDF :2 ページ, 2.1 MB)
NTT DATA Technology Foresight 2020 ダイジェスト版(PDF :16 ページ, 3.4 MB)
NTT DATA Technology Foresight 2020 詳細版(PDF :186 ページ, 35.8 MB)
技術が生み出すこれからの将来変化を予見し、具体的な取り組みを進めています
医療画像診断AIは、、MRI、CT画像)をAI技術で解析し、異常の可能性がある箇所を提示することで、医師の診断業務を支援する技術です。
近年、医療画像を用いた診断ニーズが高まる中、画像診断を行う放射線科医は慢性的な不足や地域偏在の状況下にあり、IT導入による効率化が社会課題となっています。
そこでNTTデータでは、世界各地の医療現場で画像診断AIの実証実験を行い、診断技術の有用性や効率化の効果を検証してきました。特に米国や日本の病院における腎臓の異常検出において、高い診断精度が確認できています。
また、本技術はCOVID-19の診断でも効果が期待できます。インドにおけるパートナー会社DeepTek社と協力し、インドの病院で画像診断AIによるCOVID-19診断支援の実証実験を実施しています。実際のCOVID-19患者の画像を用いてアルゴリズムをチューニングすることでAIの診断精度を高めました。
今後、より多くの医療機関と協力体制を構築し、画像診断AIの活用を通じて、各国の医療機関における医療体制の強化、医師の負担軽減、病院の診断プロセス改善を提案していきます。
関連技術トレンド:TT04
AIの発展により、写真から人の顔を見つけて誰の顔なのかを識別したり、通話内容を自動で文字に起こしたり、ニュース記事の要約を自動生成したりといったことが、高速かつ高い精度で行えるようになってきました。通常のAI技術では、、、活用しながら行動しています。
マルチモーダルAI技術は、多様なデータ形式をインプットに新たな法則を見出すことで、人による認識・活用に近づけるAIを実現する技術です。例えば、画像のような二次元データだけでは判断が難しい人の接触箇所を、センサデータなどの組み合わせでより正確に自動認識することで、感染リスクを可視化するような使い方も考えられます。
マルチモーダルAI技術は、類似する商標が登録されていないかの調査にも活用されており、イラストなどの画像と説明文の2種類のデータ形式をもとに形だけでなく意味もふまえた類似性評価を実現しています。NTTデータでは、マルチモーダルAI技術のユースケースを発掘することで、AIで実現できる知的活動の拡大を目指していきます。
関連技術トレンド:TT01
NTTデータグループのさまざまな国・地域の社員が仲間と共にテクノロジースキルを向上させ、同時に社会貢献にもつながる仕組みとして、NTT DATA Global AI Challengeというイベントを開催しています。データ分析を用いた予測モデルの精度を競い合うkaggleのプラットフォームを活用し、オンラインでデータサイエンティストとしての問題解決能力を磨いています。
2020年は、COVID-19による経済的な影響の予測をテーマとしました。ロケットの打ち上げが低価格化・民主化する中、衛星から得られるデータの新たな活用可能性を探る観点から、世界各国の都市の衛星画像における夜間光(夜の時間帯におけるライティング状況)をもとに、経済指標のひとつとして「未来の原油価格」を予測するチャレンジを行っています。これにより、急速に変化するビジネス・社会環境に対応したニューノーマルな経済予測モデルの構築を目指します。
本チャレンジを通じて、NTTデータグループに属する100名以上の技術者が、リアルな場に集まるのが難しい状況下でも継続的に実施可能な方法で交流し、新たなデータを活用したITによる社会課題解決に貢献しています。優れた予測モデルについてはイベント終了後にオープン化し、社会全体に価値を還元していきます。
関連技術トレンド:TT03
AI導入の敷居は下がり始めており、様々な業務でAI活用の機会が広がっています。このような中、注目されている説明可能AI(XAI)は、AIの判断結果に対する使い手の納得感を高めるとともに、。
現在NTTデータでは、業務へのAI適用を通じ、XAIに関する知見を蓄積しています。例えば、調査者が類似する画像を探索する業務へのAI適用事例では、AIが類似画像の候補を調査者に提示するのに加え、画像のどの部分を類似点と判断したのかをXAI技術により可視化します。調査者は可視化された類似点から、AIの提示した候補の確からしさを効率的に判断でき、第三者への説明にもこの結果を活用できます。
XAIに求められる説明内容や表現は、適用業務や判断対象により異なります。NTTデータでは、様々な業務に適したXAIモデルの選択、出力内容、表現方法の知見を体系化し、今後増えると予見される人とAIによる協調作業の構築・導入を支援します。
関連技術トレンド:TT02
実世界のモノをITで管理するためにはその物体がどこにあり、どのような状態なのかをデータ化する必要があります。それらのデータの収集・分析が、様々なビジネスに対し、業務の改善や既存ビジネスの課題解決などの価値をもたらします。
NTTデータでは、実世界を3次元で捉え解析する「空間データ分析」技術を開発しています。本技術では、一般的なカメラで撮影した映像を用いて、周囲の空間を3次元マップとしてデータ化し、その空間にある物体の位置・種別・状態を記録します。個々の物体へセンサを付与することなく、位置の定まらない放置自転車や広範囲に多数存在する電柱などを検出できるため、街や設備のメンテナンスを効率的に実施できるなどの活用が考えられます。
将来的には、、、自然災害シミュレーションの精度を向上するなど、新たな価値創出を目指していきます。
関連技術トレンド:TT08
NTT DATA Technology Foresightコンセプトムービー